かっぱの書棚

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ジャナ研の憂鬱な事件簿/酒井田寛太郎

 

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (ガガガ文庫)

 

 お気に入り度:☆★★★★

 

 

 

<感想>

こういった青春ミステリが読みたかった!!

 

海新高校2年生の工藤啓介は、他人との接触をできるだけ断つために、部員が啓介一人しかいないジャーナリズム研究会に属している。中学時代からの親友である大地と良太郎とだけと親交を保ち、余計なトラブルに巻き込まれないように平穏な学園生活を送ろうとしているのだ。ある日、学内でも評判の美人の先輩白鳥真冬と関わり合ってしまったことによって、少しずつ学内の事件やトラブルに巻き込まれていくことになっていく。 高校生活の中で起きるちょっとした事件を次々と解決していくことになっていく啓介。真冬もまた、その完璧さ故に学内でも疎外感を感じていたのだが、啓介たちと触れあうことで少しずつ本来の自分を取り戻していく……。

 

こういうのいが読みたかったんです。相変わらずガガガのアンテナは僕のハートにズッキューンですよ。この手の日常の謎というと米澤穂信先生の『古典部シリーズ』を連想する人が多いとは思いますけど、あちらよりもヘビーな印象を抱きました。

 

隠された真実もあって、謎を解き明かすことで見たくないものを目にすることもあるかもしれない。テーマとしてはその辺りになるとは思うのですがその主題に対してジャーナリズム研究会という部活動から物語が始まるのは物語の進行に違和感なく馴染んでいて良かったかなと。

 

物語の組み立て方や読み口など米澤穂信さんを意識といいますかリスペクトされた跡は