かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

かりゆしブルー・ブルー/カミツキレイニー

 

 お気に入り度:☆☆★★★

 

 

 

<感想>

沖縄の独特の雰囲気が見事に伝わってくる!!

 

 

初読の印象としては沖縄が舞台となっているところかなと思います。それは聴き慣れない方言であったり、やけに美味そうに描かれる食文化であったり、訪れた街の情景であったり、端々から特徴的な雰囲気を読み取ることができます。単純な僕としては沖縄に行きたいなあという気にさせられます。

 

設定も面白いですね。おいなりさんしか食べられない体質というだけで目を引くものになっていますし、それがうまい具合に沖縄の文化と絡み合っていてお話を進めるのに合理的だった印象。少しオカルトチックな妖しい雰囲気の展開にもなるのでそれを沖縄という底抜けに明るい空気感がうまく中和できていたのかなと。

 

明るい空気感といえば登場するキャラクターもとにかく明るくて、その中でも花人見習いである空が僕は大好きです。花人を目指した理由であったり、仕事をこなす姿勢であったり、明るくて自由奔放で、それだけじゃなくて自分の志には誇りを持っていて諦めの悪いところには頑張れ頑張れと親のような心で読んでいました。

 

難点を挙げるなら序盤が少し機械的といいますか舞台設定の説明や巻き起こる事件がどこか盛り上がりに欠けたりなどであったり噛み合っていないように感じられたところでしょうか。中盤からはぐっと面白くなって主人公のドギツイ過去であったり興味の引かれる内容になっているだけに走り出しは少し浮いてるように感じたりもしました。