かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

 

女神の勇者を倒すゲスな方法 「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」 (ファミ通文庫)

女神の勇者を倒すゲスな方法 「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」 (ファミ通文庫)

 

 評価:☆★★★★

 

えんため大賞

 

<感想>

良かった!

 

このゲスさが気持ち良く感じるんだから僕もドMなんだろうか。

 

舞台となるのはオーブムという人間界と魔界が存在する異世界。娘に美味しいものを食べさせてやりたいと考える親バカな魔王様が一人の少年を召喚する。名前は外山真一。

 

まず何が良かったのかって言いますと、真一の程よいゲスさでしょうか。主人公がクズであったりゲスであったりする作品は時たま目にするのですが、その温度感って作品によって千差万別なんですね。エッジをきかせるためにやりすぎなくらい主人公が暴れてしまったり、クズと呼称されるわりにはそうでもないなと感じることもあります。

 

ただ本作はそんなゲスさ加減の塩梅が抜群に上手かったなと感じました。真一の企みって結構あくどい内容のものもあって、ゲスに名前負けしないくらいの事はしでかしてるなあと思うんです。ただ読後感がとても爽やかに纏まってるんです。これって偏に真一の劇中での考え方や作風と良いバランスで絡み合っていたからこその結果なのかな、と。

 

キャラクター的には