かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

春は冬の夢を見る/中野雅博

 

春は冬の夢を見る (ファミ通文庫)

春は冬の夢を見る (ファミ通文庫)

 

 お気に入り度:☆★★★★

 

 

 

<感想>

夢をテーマに描いた切なくも温かい青春物語!!

 

 

春先孝太郎は一日先を夢で体験できる能力を持っている。夢の中で一度経験することで、現実の彼は何が起こっても完璧に対処できるようになっていた。予知夢によって危機を回避しながら生きてきた彼はある日、同級生の冬芽木実につきまとわれる夢を見る。孝太郎は木実を避けるべく行動するも、それが通用せず、二人の距離は否が応にも縮まっていく。だがある夜を境に孝太郎は自分達が事故に巻き込まれる夢を見るようになり!?夢が導く二人の恋物語、登場。

 

僕の好きな雰囲気の青春物語です。いやあ、青春モノを読むのが辛いと思う年頃になったら終わりだなと常々思っていますがまだ大丈夫なようです。こういう空気の青春ストーリーを定期的に読みたい!

 

主人公の春先孝太郎は一日先の出来事を夢の中で体験できる能力を持った少年である。その力を駆使して身の回りで起こる自分に不都合な出来事をことごとく回避する人生を送ってきました。

 

この能力、決して万能ではないかもしれないですけど持っていたらそれはもう重宝しますよね。予習をしてその日に臨むことができるんですからそりゃちょっとやそっとのトラブルに巻き込まれたって逃げおおせますよね。だって一度”経験”したことなんですから。

 

そんな孝太郎はある日クラスメイトの女子につきまとわれる夢を見ます。名前を冬芽木実。当然、夢で体験した彼女からのイタズラにうまく対処しようとするのですが、どうしても彼女を振り払うことはできませんでした。