かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか/はむばね

 

お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか (ファンタジア文庫)

お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか (ファンタジア文庫)

 

 お気に入り度:☆★★★★

 

 

<感想>

繰り広げられる勘違いが笑いを誘う!!

 

 

同じクラスの庄川さんは魔光少女だ。(すごくかわいいい!)彼女の身バレを防ぐために、完璧フォローを誓った僕だけど、『クラスのど真ん中で変身しようとしないでくださいぃぃぃ!』超弩級のうっかりさんだった!もっと細かなフォローをするためには、常に一緒にいるぐらいの心構えでいなくては…。「庄川さん!(物理的に)付き合ってください!」「あ、はい」よし!これで、一緒にお昼を食べたり、下校したり、遊園地に行ったり―お助けキャラとしてフォローは完璧だな!…ん?恋人同士?いやいや、お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか。無自覚だらけの勘違いラブコメ!
 

 

いやいやお前らどうしてそうなっちゃうんだよって思わずつっこみたくなるような勘違いが心地良い一作。

 

庄川真帆には絶対に人には知られてはいけない秘密がある。それは自分が街の平和を守る魔光少女であるということ。ところが、同じクラスの平地護常はそんな彼女の秘密をひょんなことから知ってしまう。

 

彼女が重度のうっかり者であることに気づく。隙あらば自分が魔光少女であることを名乗ってしまいそうになる真帆を見かねて、彼女の正体が露見してしまわないように陰ながら支えることになる毎日が始まる。

 

いや、もう勘違いとか大好きですよ。うっかりヒロインをあくまで助役としてフォローする主人公の構図は『勘違い』をもとに成立しています。(危なっかしくて怖いから)君の傍にいさせてください。カッコの中身の大前提があるかないかだけでえらく響きの違う言葉になりますね!

 

あと、友人キャラもこれまたいい味を出しているというか、こいつらもまた勘違いをしてるんですね。友人の空橋くんは本当にありのまま真帆に恋していると勘違いしているし、翔子はなぜか護常と空橋くんのホモカップリングで妄想を捗らせているし、とことんボタンを掛け違えているのに本人たちはうまく噛み合っているところがまた笑いを誘っていてずるいなぁと思わされました。

 

もちろん『勘違い』というギミックで作品が始まっているのでギャグとしては充分に楽しめるのですが、そこで終わっていないところがこの物語の美しいところかなと思います。しっかり護常も真帆も成長する余地を残して変わっていけるだけのお話に落としてあるんですね。こういうの好きです。

 

というか二人の日々がそれはもう恋人のそれとしか読み取れない仕様なのでおまえらは本当に仕方ないヤツらだなぁ~と終止ニマニマしてました。

 

もちろんこんな作品なのでツッコミどころは多いのですが、そういうところも含めて気にしない面白ければそれでいい肌の人たちにはしっくりくるんじゃないかなぁと。

 

この一巻だけでもすごく綺麗にまとまっていたので続刊も発売するようならチェックしたいなぁ、と。