お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか/はむばね
お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか (ファンタジア文庫)
- 作者: はむばね,sune
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/01/20
- メディア: 文庫
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お気に入り度:☆★★★★
<感想>
繰り広げられる勘違いが笑いを誘う!!
いやいやお前らどうしてそうなっちゃうんだよって思わずつっこみたくなるような勘違いが心地良い一作。
庄川真帆には絶対に人には知られてはいけない秘密がある。それは自分が街の平和を守る魔光少女であるということ。ところが、同じクラスの平地護常はそんな彼女の秘密をひょんなことから知ってしまう。
彼女が重度のうっかり者であることに気づく。隙あらば自分が魔光少女であることを名乗ってしまいそうになる真帆を見かねて、彼女の正体が露見してしまわないように陰ながら支えることになる毎日が始まる。
いや、もう勘違いとか大好きですよ。うっかりヒロインをあくまで助役としてフォローする主人公の構図は『勘違い』をもとに成立しています。(危なっかしくて怖いから)君の傍にいさせてください。カッコの中身の大前提があるかないかだけでえらく響きの違う言葉になりますね!
あと、友人キャラもこれまたいい味を出しているというか、こいつらもまた勘違いをしてるんですね。友人の空橋くんは本当にありのまま真帆に恋していると勘違いしているし、翔子はなぜか護常と空橋くんのホモカップリングで妄想を捗らせているし、とことんボタンを掛け違えているのに本人たちはうまく噛み合っているところがまた笑いを誘っていてずるいなぁと思わされました。
もちろん『勘違い』というギミックで作品が始まっているのでギャグとしては充分に楽しめるのですが、そこで終わっていないところがこの物語の美しいところかなと思います。しっかり護常も真帆も成長する余地を残して変わっていけるだけのお話に落としてあるんですね。こういうの好きです。
というか二人の日々がそれはもう恋人のそれとしか読み取れない仕様なのでおまえらは本当に仕方ないヤツらだなぁ~と終止ニマニマしてました。
もちろんこんな作品なのでツッコミどころは多いのですが、そういうところも含めて気にしない面白ければそれでいい肌の人たちにはしっくりくるんじゃないかなぁと。
この一巻だけでもすごく綺麗にまとまっていたので続刊も発売するようならチェックしたいなぁ、と。