かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果/ケンノジ

 

 お気に入り度:☆☆★★★

 

 

 

<感想>

春香先生がとにかくかわいい小説!!

 

 

アラサー社畜な日々を送っていた俺は、ある朝目覚めると高2の春にタイムリープしていた。
当時好きだった先生・柊木ちゃんに告白しないまま卒業したことをずっと後悔していた俺は、今度こそ告白すると――まさかのOK。
見事付き合えることになったのだった!!
でも、付き合ってみると先生は男をダメにする女の人で、常に俺を甘やかしまくる。
尽くし過ぎる先生とバレないように付き合いながら甘々でイチャイチャな学園生活が始まる!!
毎話美味しいとこだけをサクッと読める連作短編形式。
Web小説投稿サイトで大人気の中身アラサーで高2な俺と俺を甘やかしたい先生が贈る日常イチャラブコメディ!!

 

ほんともうイチャラブ要素しかないコッテコテの甘々小説でした!

春香先生の大人の女性としての魅力も少し子供っぽいところもどちらも甘々でそれがまた主人公にマッチしていたかなと。身体が糖分を欲しているときにこそ読みたい一冊。

 

アラサーで社畜な毎日を送っていた青年・真田誠治がある日、高校生に戻ってしまうところから物語は始まります。誠治には心残りがあった。それは高校時代ずっと好きだった世界史の教師・柊木春香先生に気持ちを伝えきれなかったこと。これを機に当たって砕けろの精神で告白することになるのですがそれがイチャラブな物語の始まり始まり。

 

いやあ、もうお腹いっぱいですよ! 褒め言葉として胸焼けするような甘ったるさのある作品に仕上がっていたので読みたいときに読んだら抜群に刺さるかなと思いました。

 

というのも、この作品って驚くくらい中身がないんですよね。タイムリープをおかずに書かれた小説ってどうしてもその側面を掘り下げるところがあって、あくまで設定として使ってなーんにも理由づけもしないし、代償も払わせない。どこまでもハッピーで幸せな世界。って意味被っとるやんけ!

 

この部分がするっと読み飛ばせなくて設定に意味を求めたりする人にはすんなり自分の中で落ちてくれないのかなあと感じたりもします。僕もちょっとその傾向があるというか、めっちゃ都合いいしこれタイムリープする必要あったのだろうかと考えたりもしました。

 

ただ面白いなあと思ったのは春香先生の魅力を引き立てるための武器としては機能していたなあということです。『大人』として描かれなきゃいけない先生のキャラクターの中に『子供』っぽさのようなものが違和感なく出てきていたのは、誠治が本来は30近い成熟した男性の年齢であり心も落ち着いているからこそ先生は心から素顔でいることができたって説得力に繋がっている。この使い方は面白いかなと思います。

 

あと、何と言っても連作短編形式をとっているのがいいですね。軽いお話を短く繋ぎ合わせて成立した作品として売り出したのは読みやすいこともさながら作品のコンセプト、空気感もうまく表現するのに一躍買ってるのではないでしょうか。

 

なんか今日は疲れたな~動きたくないな~頭からっぽにして読みたい小説、そんなときには是非お勧めしたい一作だと思います。