俺を好きなのはお前だけかよ 3/
俺を好きなのはお前だけかよ(3)<俺を好きなのはお前だけかよ> (電撃文庫)
- 作者: 駱駝
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2016/10/09
- メディア: Kindle版
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評価:☆★★★★
<感想>
1巻の頃から話題沸騰中の『俺おま』ですが、シリーズも3冊目ということでキャラクターの素顔や本心といったものが見え隠れしてきて面白くなってきましたね!
実をいうと、2巻の展開のさせ方があまり好みではない箇所もあって不安に思っていたのですが、なんのその! 面白さ健在の一冊!
物語は、無事に幼なじみと先輩と親友と仲直りしたところから始まる。そこにパンジーを加え平穏な生活が戻ってくるとそう思っていた。ところが、ジョーロのことを知る転入生・ツバキの登場により物語の荒波は大きく波立つ。そのままハーレムルート直行かと思いきやパンジーと喧嘩をしてしまう。ジョーロは無事にパンジーと仲直りできるのか──
僕が言いたいのはひとつだ。いや、どこがモブキャラだよお前はもう紛うことなき純粋なラブコメ主人公だよ!
ヒマワリとは朝一緒に登校してコスモス先輩の手料理を堪能して食後にはパンジーの手作りスイーツ。しかもそこに新キャラであるツバキの甘やかしも炸裂だあ? おいちょっと待てや! タイトルはどうするんだ! キャラづけはどうするんだ!
そう思っていたら中盤からですよ。パンジーと大喧嘩をしてしまうんですね。奇しくもそこからの物語が最高に面白かった。ずっとジョーロのことが好きだと言ってきたパンジーの本音。本心をなかなか晒してくれないジョーロ。この二人の素顔はぜひ見てほしい。
ツバキが良いキャラをしていたという話がしたいんです。ただのラブコメ要因としてつけ足されたのかという考えは読み終わった今は吹き飛びました。ツバキ最高です。非常に重要な役どころを担ってるキャラだと言えます。如月雨露は誰がなんと言おうと主人公なんですよね。モブキャラで終わらせてはいけない。読者の気持ちを代弁するかのように現状に一石を投じる姿は素直にかっこいいです。何よりも、良いヤツです。今後のジョーロ争奪戦にどう絡んでくるのか期待したいところです。
さてさて、今後の物語としてはどうなっていくんでしょうか。ようやく序章のひとつのターニングポイントを迎えたように感じますが、まだまだ物語は大きく展開していきそうな予感がします。安定路線に乗ってしまうとラブコメの空気に流されていきそうな気もするのですが、王道のラブコメとどう差別化していくかが非常に気になるところ!