かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

ようこそ、実力至上主義の教室へ 7.5/衣笠彰梧

 

 お気に入り度:★★★★★

 

 

<感想>

やっぱ軽井沢恵なんだよなぁ!!

 

 

過去の呪縛から救ってくれた綾小路のことを意識するようになってしまった軽井沢恵。そんな彼女に、友人の佐藤麻耶から綾小路とのクリスマスデートについて相談が持ちかけられる。さらに同時に綾小路からも、佐藤について知っていることを教えて欲しい、と軽井沢に連絡が!?綾小路の行動は純粋な異性への興味のためのものなのか、それとも佐藤を利用するためのものなのか。「あーもう!何なのよあいつはあ!」クリスマス目前、軽井沢のモヤモヤは止まらない。一方、綾小路は新学期に向けて複数の人物と接触。一之瀬帆波のウィークポイント、新生徒会長・南雲雅の抱える闇、新たな情報は今後の波乱を予期させるもので―!?

 

今回も今回とて軽井沢が可愛すぎた。ちょっともうほんとにメインヒロインまっしぐらなのですが大丈夫なのでしょうかこれは!

 

物語としては7巻の補足的な立ち位置。それぞれの思惑の答え合わせを皮切りにこれから始まる三学期の新たな風を呼び込むためのスタートダッシュ的なお話になっていたかなと。

 

お話としては清隆が佐藤さんとクリスマスデートをすることになって、その相談をもちかけられた軽井沢がモヤモヤしたり、でも間を取り持ってやらないとって気持ちにも挟まれて振り回される一連の流れが非常に印象的な巻となっています。

 

もうね、この軽井沢がいとしすぎるわけですよ。清隆のことを本当の意味で理解しているからこそ、佐藤へのアプローチに疑問符を浮かべたり、自分の存在価値に不安を覚えたり、その過程を経てラストシーンなんかはほっこりとくる非常にクリスマスらしい読後感があたたかい一冊になっていました。満足だ。

 

軽井沢の依存先が本格的に平田から清隆へとシフトしていっているのは彼女の成長でもあり、停滞でもあり、今後二人の関係性がどうなっていくかにも目が離せないところではあるように感じます。友達でもなく、恋人でもなく、パートナー。その響きが二人をどこに導いてくれるのか。

 

軽井沢だけでなくホワイトルームという枷から逃れ切れていない清隆も実はお互い様であるということが今回浮き彫りになってきましたが、そこに対しては清隆がどう答えを出すのか見ものだったり、まだまだ見所が尽きないのも本書の魅力かと。

 

物語の本筋としてもぐっと熱いストーリーが形成される準備が着々と準備されていてより期待が高まっていくなと思うところ。新生徒会長となった南雲がどう清隆に接触してくるか、どう学園をかき乱してくれるのか今から楽しみだ!