かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない/恵比須清司

 

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない (ファンタジア文庫)

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない (ファンタジア文庫)

 

 評価:☆★★★★

 

 

 

<ネタバレ感想>

 

涼花がかわいい!

 

これに尽きます!

作中に出てくる涼花の書いた『お兄ちゃんのことが好きすぎて困ってしまう妹の物語です。』に対して祐が兄妹のイチャイチャラブコメが良いのだと気づくシーンにもあるように兄妹のシーンの力の入りっぷりには何度もニヤニヤさせられました。

 

物語は、冴えない主人公・永見祐がいかにライトノベルのことが大好きなのかが描かれるシーンから始まります。発売日のために遠くまで買い物にいったり、自分で応募作を書いたりするのはガチモノのラノベ読みの証拠でしょう。

 

毎日積み本を消化して、たまに原稿なんかも書いたりして、そんな変わらないある日に妹の永見涼花が相談を持ちかけてきます。ライトノベルの小説大賞に応募したら大賞を取ってしまったと。

 

そこから祐と涼花の生活はめまぐるしく変化していくことになります。編集の篠崎さんにセクハラされたり、クラスメイトの氷室さんにストーカーされたり、イラスト担当のアへ顔Wピースさんにストレートな純愛ものを教え込まれたり、ラノベ大賞を受賞してからは慌ただしい毎日の連続でした。

 

こんな何気ない日常の中でも涼花と祐のやり取りがとってもかわいらしくて読んでいて楽しかったのですが、

 

小説を書くことを楽しまなきゃ良い物語は生まれないとはよく言った話ですが、終盤で涼花が書けなくなってしまったシーンで祐の励ましがまんま愛の告白なところには恥ずかしさを通り越して男らしさを感じたりもしました(笑)

 

どこの世界であろうと、たとえ魔が差したのだとしても兄と自分のイチャラブ物語を世に発表する猛者はいないでしょうが、妹ラノベが好きで実妹にもちょっぴりときめいてしまっている祐がいる限り、きっと涼花は魔が差しつづけるんだろうなって思いました。