かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

私たち殺し屋です、本当です、嘘じゃありません、信じてください。/兎月竜之介

 

 評価:★★★★☆

 

 

<感想>

ドジっこ殺し屋の二人がかわいい!

 

兎月さんといえば百合!

今回も実に微笑ましい女の子のきゃっきゃうふふが繰り広げられていました。というかもうこれだけに尽きる。僕は百合が書きたいんだ仕方ないだろうとでも言わんばかりの開き直った作品。二人の愛に溢れたほっこりとする一冊でした。

 

お話としては短編を繋ぎ合わせるようにした流れになっていて、それぞれのお話でで二人が事件に巻き込まれて、それを殺し屋として解決していくイメージ。

 

でもなんというんでしょうか、この二人の事件の巻き込まれ方がアホで実にかわいい!

 

ケーキの罠に引っかかった! とか。

ギャンブル癖がちょっとね! とか。

 

ドジでバカで、でもくすりときちゃう。

タイトルの時点で語るに落ちているのですが、本当に殺し屋の少女の物語を読んでいるのかとあらすじを確認しちゃうくらいのコメディテイスト。

 

そして最終的には、とことんアホかわいい二人を読んでいるうちにこのテンションがしっくりきてる自分にもなんだか笑えてきてしまうみたいな読後感でした。不思議な読み口だ。

 

印象に残ったシーンとしてはやはりヴィクトリアとシャルロッテの関係性かなあと思います。というのも個人的な話をさせてもらうとアンバランスな百合が僕は大好きだったりします。

 

お互いが好き好きちゅっちゅっというあからさまな百合よりも、二人ともお互いが好きなのはわかってるんだけど、こっちの子はぐいぐい来てそっちの子はそこまでじゃないけどちょっと待ってよ流されちゃう~みたいな!

 

温度感は違うんだけど、温度感が違うからこそ成り立つ恋でも友情でもない絶妙な関係性。そんな百合が至高だと思います!(食い気味

 

それがこの作品にはつよく感じられたかなあと思います。

ヴィクトリアとシャルロッテを繋ぐ絆はこれまで積み上げてきたものが証明してるんだけど、そこから一歩踏み出しちゃうシャルロッテと来ちゃ駄目バリアを張りながらも受け入れちゃうヴィクトリア。

 

やっぱり百合は最高だな!