僕らはリア充なのでオタクな過去などありません（大嘘）／北國ばらっど

僕らはリア充なのでオタクな過去などありません(大嘘)(仮) (ダッシュエックス文庫)

 評価：★★★★☆

＜感想＞

瑠句ちゃんがかわいい！！

近頃よく見るようになった非リアがリア充を目指して学園を謳歌する系のラブコメディ。僕は友達が少ないが人気を博してからはよく目にするようになったジャンルのひとつだとは思いますが、作品ごとにそれぞれ作家のカラーが出ていて僕は好きだったりします！

皆誰しもが学園生活を過ごした経験があるでしょう。なんならメインターゲットの中高生なんかは現在も毎日学校に通っているんですよね。

例えそれが薔薇色であろうと、灰色であろうと。

自分に素直にオタクでいるべきか、リア充を目指してみんなで仲良くなるか。

この二者択一がこの手の作品の肝だとは思います。

ただ僕は読んでいてこの作品は明るくて前向きでキラキラしてるなって思わずにはいられなかった。というのも、望がリア充を目指す理由がしっかりしてたからなんですね。

素直にオタクをやっていた景色は見たことあるけど、リア充の景色はまだ見たことがない。だからどちらが正しいかなんて言えないって言い切ってしまうところに美しさと男らしさをとても感じました。

また瑠句の高校デビューの失敗の理由が最高にかわいい。

もうさ、お前らちゃっかりリア充じゃん、みたいなね？

ラストに描かれた望の成長も読んでいて微笑ましかったです。

照明係はイヤかもしれない。地味かもしれない。けれど、照明があるからキャストは誰よりも輝くことができるんだって。

締まらない終わりかたもこの物語にはぴったりな幕引きで純粋に良いラブコメだなと思いました。