かっぱの書棚

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英雄なき世界にラスボスたちを/柳実冬貴

 

英雄なき世界にラスボスたちを (MF文庫J)

英雄なき世界にラスボスたちを (MF文庫J)

 

 評価:☆★★★★

 

 

 

<感想>

とにかくバトルが熱い!!

 

柳実冬貴先生の新作ということで。

 

物語は

 

とにかくカオス!

それが本作の第一印象でしょうか。まあ考えてみればあらゆる世界のラスボスたちが世界を支配することができずに一堂に集められたんですからカオスにならないわけがないんですよね。だからこそごちゃ混ぜなままラスボスたちが協力するためのピースとして使用された「能力の制限」は巧くハマったなあという風に感じました。絶対的な力があるのなら協力しなくても自分が率先して前に出た方が効率的だ。そこが彼ら彼女らが前世で世界を統治できなかった一因なのだろうかと過去を連想させるポイントにもなっていて良かったと思います。

 

そして魅力はなんといってもバトル。人も悪魔もエイリアンだっていてバトルが面白くならないわけがない。ごちゃ混ぜバトルも最高にアドレナリンが溢れていたのですがやはり主人公であるアキトのバトルが見どころでしたね。能力が制限されて使える手札だけでチートとも呼べる相手と凌ぎを削り合ったシーンはたまらなく胸が熱くなりました。あとアキトの戦う理由がすごくシンプルで何よりもラスボスっぽくてその開き直りっぷりが僕は清々しくて読んでいてたまらなく気持ちよくなりました。

 

キャラクターはもう出血大サービスです。とんでもない異能の力を持つアキト。未来世界最高の人工知能であるSORA。勇者であるはずが味方を裏切ってしまったイグニート。天界に歯向かう堕天使のヴェンデッタ。天才科学者であるキリシマ。そして謎のエイリアン。もうこの設定だけでお腹いっぱいだよってくらい濃厚なメンツでお届けする異世界救済物語がカオスにならないわけがない。

 

ただ忘れてはいけないのがこんな常識破りな連中を更生させるために派遣されたヒマワリも単純におバカキャラかと