かっぱの書棚

ライトノベルの感想などを書きます

【2021年】私的おすすめラノベ【10選+α】

どうも、カッパです。年末に入って急に冷え込む日が続く今日この頃。

年の瀬がやってきたということで今年も個人的に気になったオススメであったり、お気に入りのラノベをつらつらと並べてそういう話でもできればと。

 

 

例のごとく既存シリーズは一端除外して今年発売した新作に絞って挙げていこうと思います。

僕の性癖にガン刺さりした一冊。甘ったるいラブコメブームが来てる世の中ではありますが、やっぱり甘いところは甘く、酸っぱいところは酸っぱく、どこか現実を感じさせてくれる青春味の強い物語が僕は好きなんだなと再認識させてくれるお話。意味のないものに縋るのはそこに意味を求めたいから。あと、やっぱり僕は面倒くさいキャラクターというのが大好きです!

 

一巻のインパクトという意味では他の作品を挙げるべきか悩んだのですがやっぱりシリーズとして見たときにコンスタンスに発売されて質も高く強い印象があったので。なにより特別なことなんて起きないし、ドラマチックな展開で心を鷲掴みにするわけでもない。けれど淡々とした調子で丁寧に重ねた落ち着きのある描写がぐーっと惹きつけて離さないラブコメって独自性が出ていて本当に良いなと思うんですよね。四巻の最後の挿絵ずるでしょ?

 

これに関してはもうタイトルに尽きる。タイトルにすべてが込められていると言って違いない。社会人とJKリフレの物語。ラノベでこのテーマを取り扱ったことに驚いたし、胸を抉るようにして突きつけられたお話は今年一の刺さり方と言っていい。「ただ制服を着てるだけ」それはこの作品をライトノベルとして出版した意味としても機能してるのではないでしょうか。

 

タイトルでちょっと損してると思うのは僕だけなんでしょうか。タイトルほど王道のラブコメはしてなくて個人的には青春枠の一冊。とにかく春夏秋冬の四編で構成された物語の中で一人の少年と一人の少女の距離が縮まっていくストーリーを丁寧に切り取った作品。夏の章のラストのやり取りが好きすぎて文庫本を投げ出した人は一緒にお酒を飲みましょう。愛してる。

 

二次元にどっぷりハマるOLとAIの物語。純粋に王道の恋愛モノというエンタメとして楽しむこともできれば、人とAIの今後を考えさせるとっかかりにもなっていて良かったです。あっと驚く終盤のガガガらしい切なさは癖になる一冊。元アイドルが執筆した情報で売り出さないだけの出来栄えを感じました。

 

英雄に憧れるだけの取り柄のない臆病者の少年が主役を志すファンタジー。卑屈なのは成功したときのカタルシスのためだ。続刊が出ないことにヤキモキしたりもしますが、一年を振り返ったときにファンタジー作品としては僕の中で印象に残っている一冊でした。終盤で畳みかけるような主人公の心情がとにかく熱い。

 

これはもう魔王ベルトールがキャラクターとして優秀すぎてそこに尽きる。ギャグをやらせてもシリアスをやらせても万能な千役両者。かつての魔王が突然未来の世界で生きることになったらという着想から生まれた物語は新人賞らしい荒削りの熱意を感じます。

 

カクヨムからの書籍化作品。民兵として命を落とした少女が異世界に転生してその能力を遺憾なく発揮する展開は爽快感に満ちている。無双するわけではなく苦戦も強いられながらけれど軽快に紡がれる物語が好印象です。エリザベートの成長していく過程についてもとても気に入っております。

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンで名の知れた暁先生の新作。圧倒的な世界観で紡がれる物語とその心を震わすストーリーラインは極上。上下巻合わせて読んで独特の世界観に浸ることを推奨します。

 

まるで映画一本を見終わったかのような幸せな充足感を味わえる一冊。夢による通信技術が発展した世界で、夢の世界に棲みつく怪物を対峙する組織を描いた物語。SF要素を主軸に据えながらもキャラクター愛を感じさせる物語がとても好みでした。設定を詰め込みすぎてる感は否めませんが、それでも最後まで読めば圧倒的な満足感がありました。

 

 

と、まぁ以上が個人的な10選だったわけなのですが、個人的には今年は小粒な印象がありました。僕の感性がどんどん老害化してきているという可能性も否定はできませんが(汗 上記で挙げたものの他では以下のような作品も印象に残っております。

酔っぱらえば最高の演技ができるヒロインって可愛くありません?

 

一巻の最大瞬間風速で言うならかなり上位の作品。面倒くさい女って最高です!!

 

なんだかんだ言ってハッピーエンドが大好きです。

 

粗いところはあれどぐっと引き込まれる物語展開と現実世界とのメタファーに世界の可能性に賭けたくなりました。

 

今回のMF新人賞の中では個人的に一番。永遠の愛という大きなテーマに対して向かい合った主人公とヒロインの幕引きが大好きでした。

 

 

 

シリーズ物にもちょっと触れておきたいところ。

僕は結局のところ青春ラブコメが大好きなのでそこに焦点を当てて。

やはりここ二年ほど好きだなあと思っているのは千歳くんです。
六巻の内容も素晴らしかった。優空の懐の深さであったり、朔との関係性にはどう足掻いてもエモさを感じずにはいられませんでした。ただ素晴らしかったんだけど、千歳朔の結論に対して僕は今回置きに行ってしまったなあと感じた部分がありました。ヒーローに思えた少年が普通の男の子に、という構図は良いんですけど引き伸ばした疑問に対して少し肩透かしを食らったというか。

 

反対に「ラブだめ」に関しては自分のなかではぐいぐいと挑戦をしかけてきているタイトルです。というのも耕平のスタンスって押しつけがましくて、納得のいかないところもあるんですよね。だからこそ、どこかで失敗する流れはあるだろうと予想しながら読んだ三巻から四巻の流れ。待ってましたからのどういった結論を巻で五巻で出すのかが今からとても楽しみなシリーズ。

 

いやあ~~~~、もう僕からすれば美濃彩華なんですよ!! 美濃彩華!! 大学生という多くない題材を用いながら新鮮さを感じさせて、シリーズが積み重なるごとにキャラクターの深みが出てきて大満足なシリーズ。ようやくヒロインが横並びになったことで今後の展開により期待が高まります。どのヒロインも魅力的というのがこの作品の特徴だと思います。それでもやっぱり僕は美濃彩華、お前なんだぁ……。

 

 

さてさて、こんな具合で今年のラノベで個人的に印象に残ったものを振り返ってみました。やはりラブコメが強い時代に差し掛かったことでそっち路線に僕の評価も傾きがちです。

 

ただ友人たちと話をする中でも本格的な王道ファンタジーというのはまた読みたいよねという話はよく交わされる議題です。異世界チートとかではなく、本当に純然なファンタジーを。売れ線というのもあることはわかっていますが、ラブコメブームが席巻する今の時代に次なる要素として放り込まれるジャンルがなんであるのかを楽しみにしながら来年のライトノベルも追いかけていきたい所存です。

 

皆さま、良いお年を。